衝撃骨粗しょう症お薬で顎の骨が腐る

2017/03/02 2017/10/02

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「骨を丈夫にする薬が、あごの骨を腐らせる。」こんな話を、あなたは信じられますか? でも事実です。これをビスホスホネート顎骨壊死といい、ビスホスホネート系の薬の注射や内服薬を長期的に用いることで発症する.骨代謝異常に起因する医原性疾患(医療行為で生じる病気)と考えられます。

処方箋としての内容

通常、歯科医療の合併症として発症することが多く、抜歯、口腔外科手術、歯周病手術後の傷が正常に注意しないことなどにより発生、重症化します。現在、有効な予防法はありません。またいちど発症すれば症状が進行し、根治はキワメテ困難といわれています。ビスホスホネート系薬剤静脈注射を行っている患者さんに、骨壊死のリスクが初めて確認されたのは2003年です。その後、日本口腔外科学会が2006年に行った全国調査で30 例(のちに2例を除去し28例）２００７年の発売元製薬会社の調査で約１００例、日本口腔外科学会の２００８年月の調査に５８０例にビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死が確認されわずかな時間に患者さんが急増していることが示されました。ビスホスホネート系関連薬剤壊死顎骨壊死は、もともと口腔外科などで問題視されていましたが、骨粗しょう症治療にも「ボロナン」「フオッサマック」「ダオドロネイル」「アクトネル」などのビスホスホネート系の内服薬を使用しています。また、がんや悪性腫瘍による高カルシウム結晶の治療や、骨転移、骨髄腫の治療などでも有効性が認められています。このため、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死は今や、歯科、口腔外科にとどまらず全科的な問題と捉えられるようになりました。